兎は鳥か、魚か

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兎は何故1羽2羽と数えるのか? 明確な答えにはたどり着いていませんが、いくつかの説を取り上げてみます。

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兎は、鳥である。

 兎の助数詞は、「羽(わ)」です。「匹」も勿論使用しますが、兎に固有の数え方としては「羽」が用いられているのです。

 鳥などと同じように数えられ始めた理由としては、主に以下の説があります。

 「鶏肉のような味」については、「どうぶつたちのおはなし」((社)日本実験動物教会:監修、前島一淑:編)に若干解説がありました。

ウサギの平常体温が哺乳類動物中では珍しいほど高温域の39℃前後にあるため、40℃前後のニワトリと筋肉(蛋白質と繊維)の性質がたいへんよく似ているものと思われます。

出典:辻紘一郎「ウサギをトラバーユさせたい」『どうぶつたちのおはなし』78頁((社)日本実験動物教会、1997年)より

 なお、北陸農政局のWebサイトに、動物の体温について触れられているコーナがあったので、そこから一部引用します。

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兎は、魚である。

 中世ヨーロッパにおいても、これに似たような風潮がありました。

カトリック教徒は四旬節の期間中、肉を食べないことになっていましたが、魚、および魚とみなされるある種の獣は食べてよろしい、とその時代のローマ法王が布告を発したのです。この食べてもよい獣類にはビーバーがふくまれていました。(中略)そのほか野ウサギや(中略)、胎児またはうまれたての穴ウサギもふくまれました。

出典:アン・マクブライド『ウサギの不思議な生活』30頁(晶文社、1998年)

 なお、「ロミオとジュリエット」の中でこの「四旬節の兎」を絡めた歌が出てきます(今後別の稿で紹介します。しばらくお待ち下さい)。

 ……よく云われる事ですが、まさに「兎は食べられるために存在する」。鳥に魚に、そこまでして兎を食べたいとは、きっと余程美味しいに違いありません。実際、中世などにおいてはウサギはかなりのご馳走であったようです。

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2008年8月30日追記

久々に『百分の一科事典 ウサギ』(小学館、1999年)を読み返していたら27頁にこんな話が。

ウサギの外性器は雌雄ともあまり目立たないので、中国では鳥と同じく排泄口より子を産むと思われていた。あるいは、口から子を吐き出すという説もあった。

そのせいか、仏教の影響で獣肉食が禁忌とされた我が国でも、ウサギは例外的に食べてよい獣だった。鳥の仲間と(強引に?)解釈したのだろう。今もウサギを一羽二羽と数えるのは、その名残だ。

出産方法が同じだからトリの同類と考えられたのか、トリの同類と考えられたから出産方法も同じだとされたのか、そのあたりはわかりませんが、とにかく兎は色々な角度から、鳥のように取り扱われていたことはわかりますね。口から子を吐くという考え方は倭訓栞にもみられます。

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