兎と澁澤龍彦

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エッセイスト、渋澤龍彦と兎のうちゃこについて。

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澁澤と、うちゃこ

澁澤龍彦は、亡くなる四年ほど前から兎を飼っていました。「うちゃこ」と名づけられたその兎(メス)は昭和58年12月、未知の人から送られたそうです。この辺が何とも澁澤らしい感じがします。

「うちゃこ」は文献によって「ウチャ」「ウーちゃん」と呼ばれてますが、この項では「うちゃこ」と呼ぶことにします。

うちゃこについては「新潮日本文学アルバム 澁澤龍彦」にカラー写真が掲載されています。アルビノの兎です。うちゃこは平成5年6月9日にこの世を去ったそうです。

そのときぼくは、澁澤さんの頭ごしの棚のうえに、一匹のかわいいうさぎのお人形がおいてあるのに気がついた。「あー、『うちゃこ』が来てるんですね」。ぼくは思わず大きな声をだしてしまった。「そう、『うちゃこ』です。『うちゃこ』はうさぎだからぼくがいなくてもさびしく思ったりしないかも知れないけど、ぼくは彼女がいないとさびしいので、こうしてかわりの『うちゃこ』に来てもらっているのです」。澁澤さんは紙きれにそう書いて、ぼくのほうに微笑みかけた。

中沢新一 うさぎのリトマス紙にこんなエピソードが紹介されていました。

澁澤の記した「猫と形而上学」を一部紹介すると共に、生身の“うちゃこ”に寄せた晩年の澁澤の愛については、あまり澁澤が好きではない人も知っておいてよいのではないかと書いてらっしゃるサイト(マルジナリア)があったので、ちょっとこれを読んで、また何か書いてみたいなあと思います(どの本に収録されてるのか調べ中、汗)。と云うかここでうちゃこと澁澤の事をあれこれ書ける程澁澤を読んでる訳ではないので(彼が訳したものばかり読んでたので)、、、汗。

さて、無事「猫と形而上学」を収録している「玩物草紙」(shikiたんさんくすでつ)を入手したので、その辺りの事を少し書いてみたいと思います。

どうやら私の動物好きというのは、動物園の檻のなかの動物、水族館の水槽のなかの動物、あるいは博物館のガラスケースのなかの剥製の動物に対する愛好でしかなかったようだ。いや、さらに極端に言えば、私の動物好きは、動物図鑑のなかの印刷された動物の絵でしかなかったらしいのである。

現に、私の家には動物の剥製や、骸骨や貝殻がたくさん並べてあるが、猫であれ犬であれ小鳥であれ、生きた動物は一匹も飼っていない。動物を飼うなんて、面倒くさいことは真っ平ごめんなのである。これを要するに、私は動物を抽象的に愛しているのであろう。

澁澤がこのエッセイを書いたのは昭和53年なので、うちゃこがやって来るより5年ほど前になります。具体的にうちゃこがやってきた時のエピソードなどがよく解らないので(これは結構重要なエピソードっぽいだけに残念です。根気よく探したらどこかで見つかるかな?)、その時彼がどんな反応をしたのかとても気になります。動物を抽象的に愛していた、或いは観念としての動物にしか興味を見出していなかった彼が、具象的な存在としての生き物に触れて、どんな思いを抱くようになったのか。解るような、解らないような、それは一つの彼の甘さであったようにも見えて、それが別に悪いと云う意味ではなくて、、、少なくとも彼は、うちゃこの耳を洗濯バサミで鋏む様な事はしなかったのではないかと思います。

澁澤とウチャについての書かれた文章があるのですが、まだ入手できていないので、入手次第内容を追加したいと思います。Revolution is Illusionと云うサイトの「うさぎさん、うさぎさん、どこ行くの?」と云うペイジにも詳しい話が紹介されています。 ここで紹介したサイトは残念ながら現在リンク切れのようです。

以下、RabbitMemoで頂いた情報です。澁澤邸の兎モノ2点の写真。

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平出隆のみたうちゃこ

2007年6月11日加筆。

前の世で兎であったかもしれないなと思わせる人には何人か会ったことがあるが、澁澤龍彦さんの奥さんも、失礼ながら、その中に入る。

唐十郎編「兎をめぐる十二の物語」 『兎島』平出隆 p163より。

平出氏によれば名前が「ウーちゃん」になっていますが、「うちゃこ」がやってきた話が語られています。うちゃこを置いていった人物はやはり特定できていなかった模様。

うちゃこの特技「横っ飛び」のエピソードなど、なかなか詳しく楽しい話です(どうでもいいことですが、うちに昔いたジョーにゃんという兎も、「横っ飛び」をよくしてました)。メインの物語はご自分の兎についてですが、うちゃこを眺める澁澤夫婦の様子が描かれています。

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参考文献

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