兎と泉鏡花

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文豪泉鏡花は兎コレクタだったのです。

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文学界一の兎蒐集家

 自分の十二支の7つ先の十二支(十二支を円に配せば解りますが、向い側になる動物)の事を「向い干支」と云い、置物などを集めると出世すると云われています。泉鏡花は明治6年(西暦1873年)生まれで、干支は癸酉。酉の7つ先は卯です。

「鏡太郎(鏡花の本名)や、これはね、水晶の兎ですよ。鏡太郎は酉年でしょう。酉年から数えて七番目のものを持つと身のお守りになるのですよ。出世をしますよ」

 鏡花の母はそういって、鏡太郎のかわいい手のひらの上に、鏡太郎の干支から数えて七番目にあたる水晶の兎の置物をもたせてくださったのだと思う。

出典:鏡花幻想譚2 海異記の巻 解説「鏡花と兎」 泉名月より

 鏡花の兎コレクションについて、前述の「鏡花と兎」に大変詳しい解説が為されています。泉名月氏は鏡花の姪にあたりますが、10歳の時に鏡花の妻すゞの養女となり、後に随筆家になった人で、鏡花の研究者でもあります。彼女が養女として鏡花の家に入った際、そのあまりに豊富な兎のコレクション(玩具、置物から食器、マフラーなどに様々な兎達がモチーフにされていた)に驚いたそうです。

 彼の蒐集品の膨大さを表す資料としては、東京日日新聞の「御自慢拝見」と云うコーナに出た、と云うエピソードが挙げられます。その時の写真なのかは解らないのですが、「新潮日本文学アルバム22 泉 鏡花」に蒐集品を眺める鏡花の写真が掲載されています。

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泉鏡花記念館に行ってきました

泉鏡花記念館入口の写真を大きな画像で見る 2004年8月に、ずっと行きたいと思っていた、金沢にある泉鏡花記念館を訪れました(詳しい道順については、泉鏡花記念館のサイトの交通案内を参照のこと)。

泉鏡花記念館観覧券の写真を大きな画像で見る どれくらいの規模の記念館なのか全然解らなかったのですが、ある程度想像していたよりは遥かに小さなものでした。その点がちょっと残念だったのですが、気にせず観覧券(大人300円)を購入して中へ。

そうそう、忘れてはいけません、この観覧券の中にも「兎」が可愛く飛び跳ねているのでした。

中は写真を撮る訳にはいきませんでしたので、簡単に説明だけ。こだわって作られた美しい装丁の本の展示や、鏡花の作品世界をジオラマで再現したコーナーなど、なかなか興味深いものが並んでいました。鏡花の使っていた品々の間に、兎の置物なども紹介されておりました。で、ここで私は自分に阿房! と云わねばなりません。置物以外にどんな兎がいたか、きちんとメモするの忘れてました……ハハハハ。いい加減な気持ちで見てるからだ。とほほ。すみません。

お土産コーナーには、兎の迷子札(大・小)や兎のブックカバーなどが売られてました。その他にも置物なんかもありました。私は迷子札とブックカバー、それから一筆線を購入しました。包装紙も可愛い兎模様でした。

さて、私がとても見たいと思っていたのは、「兎を抱いた鏡花像」でした。てっきり記念館の中にあると思っていたのに、どこを探してもなくて、「まさか撤去されたんじゃ」などと思っていたのですが、実際には「三文豪像」の一つ(因みに、他の二名と云うのは室生犀星と徳田秋声です)として、金沢城公園の「白鳥路」にあったのでした。記念館から徒歩15分くらいのところにありました。

鏡花像全体の写真を大きな画像で見る 兎を抱いた鏡花、出来たら私も抱きついて見たかったのですが、とても悲しい事に、像の周りは毛虫だらけで近づけなかったのでした。

で、意外にも小規模でちょっと残念だった鏡花記念館なのですが、その代わり、更に鏡花兎情報を入手する事が出来たので私は満足なのでした。記念館に「鏡花幻創 鏡花文学賞二十五周年記念誌」が置いてあって、ぱらぱらとめくってみたら、鏡花の兎コレクションの一部や、兎が表紙にあしらわれた本、そして鏡花文学賞の正賞が、得能節郎氏制作の「八稜鏡」で、そこに兎さんがあしらわれている(泉鏡花記念金沢市民文学賞正賞も、少しデザインが違う、やはり兎のいる八稜鏡)と云う事などが紹介されていたのです。私は早速古本屋でこの本を入手しまして、「文学賞ほしいなあ」とか無理云ってますですよ。ちょっとこれをここに載せるのはアレなので、参考までに、兎があしらわれてる八稜鏡を探してみました。Ancient Mirror Gallery / 狩猟文八稜鏡(下の方の鏡)……どれが兎なのか、私には解りません!!

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関連サイトなど

泉鏡花記念館
記念館には、泉鏡花の作品紹介や、泉鏡花が描き出す美しい世界をジオラマやサウンドで再現するコーナーなどの他にも、鏡花ゆかりの品々として、彼の蒐集した兎の置物などの展示があります。公式サイトではその一部を写真で見る事ができます。
ジュサブロー館
こちらも兎好きとして知られる人形師、辻村ジュサブロー氏のWebサイト。
鏡花好きとしても知られている人で、鏡花についてのコメントもあります。
石塚公昭の公式ホームページ
人形作家、石塚公昭氏のサイト。鏡花の人形を使った写真も沢山あります。鏡花のお気に入りだったと思われる、等身大兎の人形も作られていて、とても楽しい写真になっています。 鏡花についてのエッセイもあります。

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参考文献

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